胃がん検診、内視鏡も推奨…国立がんセンター

国立がん研究センターは、新たに内視鏡検査を推奨することを盛り込んだ「胃がん検診ガイドライン(指針)」2014年度版をホームページで公表した。

 指針の改定は9年ぶり。自治体などが行うがん検診として新たに内視鏡検査を推奨、年齢は50歳以上が望ましく、受ける間隔は2~3年でも良いとした。同センターでは推奨に加えた理由について、国内や韓国での研究で胃がんの死亡リスクを下げる効果を確認したことを挙げている。前回の2005年度版は、バリウムを飲んで行うエックス線検査のみが推奨され、内視鏡検査は「死亡率の減少効果を判断する証拠が不十分」とされていた。

 バリウムを飲むエックス線検査は、今回の指針でも検診として推奨された。年齢別の死亡率減少効果の分析研究などから、50歳以上を対象にすることが望ましいとした。

 同センターの指針は学術的な提言で、市町村が検診を行う際に使う国の指針とは別。国は、40歳以上の住民を対象にバリウムを飲むエックス線検査を標準的な方法として示している。厚生労働省の検討会は内視鏡検査を導入するかどうかなどを含め、胃がん検診のあり方を議論しており、今夏にも方針を決める予定。