偽装ファクタリング業者への取締り強化を要請 東京弁護士会が会見

東京弁護士会(東弁)は6月11日、都内で会見を開き、売掛債権を買い取る「ファクタリング」を装い、実質的に高金利の貸付を行う「偽装ファクタリング業者」の摘発・取締を強化するよう求めた。また、偽装ファクタリング業者による資金融通サービスを金銭の貸付とみなすことの法律への明記や、金融庁や法務省などに被害者の相談窓口の強化も求めた。

東弁によると「ファクタリング」とは、ファクタリング業者が企業の保有している売掛債権を割安で買い取り、額面通りの債権の管理・回収を行うサービス。一方で、「ファクタリング」と称して、貸金業法を登録を受けずに、実質的には違法な高金利で金銭を貸し付けているとみられる「偽装ファクタリング」と呼べる事例も増えているという。東弁によると、ファクタリングと称しながら債権の譲受人に償還請求権や買戻請求権が付いている場合など、債権の譲受人が回収不能のリスクを負っていないケースは、経済的に貸付けと同様であるとして、貸金業法の「貸付け」に該当しうるとしている。また、ファクタリングの契約をしたとき、債務者への通知・承諾の必要がない場合や、譲渡人が譲受人から債権を回収する業務の委託を受け譲受人に支払う仕組みとなっているケースも、実質的には債権担保貸付と同様の機能があるとして、やはり貸金業法の「貸付け」に該当しうるとしている。こうした実質的に貸付にあたるサービスを貸金業法の登録を受けずに行っている業者について、東弁は貸金業法違反にあたり、また、債権額と買取金額の差が出資法違反の高金利になる場合には出資法違反にあたるとの見解を示している。会見した三上理弁護士は、「(給与債権を買い取る)給与ファクタリングは金融庁が明確な見解を出し、司法判断でも違法だと明らかになっているが、偽装ファクタリングについては、(現時点で)明確に違法だと断定されておらず、司法判断も分かれている」と指摘。電話相談会で全国から相談が寄せられたことから、今後は東京の弁護士だけでなく、全国の弁護士と連携しながら対策を進める必要があるとの見方を示した。東弁は5月に、偽装ファクタリング業者への摘発・取締強化や、被害者に対する相談体制の強化、貸金業法・出資法改正などを求めた意見書を、政府や国会議員、警察庁などに提出している。