スマホでレントゲン画像を閲覧 友愛記念病院

友愛記念病院(茨城県古河市東牛谷)は4日、レントゲンや内視鏡、MRI(磁気共鳴画像化装置)などの検査画像や、処方薬などの診療情報をパソコン(PC)やスマートフォンで患者自身が閲覧できるシステムを導入した。患者は、データを基に主治医に質問できるほか、地元診療所のかかりつけ医らに見てもらい、セカンドオピニオンを受けられる。

 導入するシステムは、医療情報会社「メディカル・データ・ビジョン」(本社・東京都)が開発した「CADA-BOX」(カーダ・ボックス)。

 患者がシステムの利用に同意すると、病院の電子カルテに記録された検査画像や薬の処方などの情報が同社のデータセンターに送信される。

 このうち医師が開示できると判断したデータについては、専用ホームページ上でIDとパスワードを入力すれば、患者自身がパソコンやスマートフォンで閲覧できる。パソコンなどを持っていなくても、病院に設置した専用端末で検査データなどの印刷ができる。

 利用者の負担はなく、専用カードも発行され、医療費の後払いや分割払いもできる。

 またこれらデータは匿名化して製薬会社などに提供され、研究にも活用される。

 同病院は県西地域の拠点病院で、26診療科で325床。このシステムを導入するのは関東では初で、全国でも5番目。

 加藤奨一院長は「情報を開示することで、患者や家族の病気への理解が深まる。患者と医師との情報格差や認識の溝も埋まり、誤解などから生まれるトラブルも防げる」と期待した。