長崎県新上五島町の上五島病院で2010年9月、中学1年の女子生徒(当時13歳)の容体が急変し死亡したのは、医師の誤診で適切な処置が行われなかったためだとして、女子生徒の両親が、病院を運営する県病院企業団(長崎市)を相手取り、約9025万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、長崎地裁であった。
井田宏裁判長は誤診を認め、同企業団に約6455万円の支払いを命じた。同企業団は県と県内の5市1町で構成している。
判決によると、女子生徒は吐き気や頭痛を訴えて同病院を受診。感染性腸炎と診断され入院したが、3日後に死亡した。病理解剖で、死因は「腸炎ではなく急性心筋炎と推察される」との結果が出ていた。
井田裁判長は「血液検査の結果から重症の急性心筋炎を疑わなければならなかった」などと医師の誤診を認め、急性心筋炎の処置を出来る病院へ転院させる義務があったとした。
同企業団は「判決文を見ていないため、コメントできない」としている。