Category Archives: 医療ニュース

インフルエンザ、注意報レベルに…昨シーズンより2週間早く

厚生労働省は5日、流行期に入ったインフルエンザの患者数が、昨年12月18~24日の1週間で、1医療機関あたり12.87人だったと発表した。注意報レベルの10人を超えたのは、今シーズン初めてで、昨シーズンより2週間ほど早い。都道府県別では、宮崎が26.03人で最も多く、長崎25.57人、岡山25.19人、山口22.22人と続き、西日本を中心に流行が広がっている。関東は、埼玉19.57人、東京13.93人、千葉13.01人など。例年、1、2月にピークを迎えるため、今後も増加が予想される。

東京医大や資生堂、毛髪再生へ今年から臨床研究

東京医科大学や資生堂などは27日、中年以降に薄毛となる脱毛症の患者の、毛髪を再生させる臨床研究を今年から始めると発表した。

 一度細胞を移植することで効果が持続するため、育毛剤のように毎日使用せずに済む利点があるという。研究チームは効果や安全性を確かめたうえで、実用化を目指している。

 研究チームは、「毛球部毛根鞘(しょう)細胞」と呼ばれる毛髪の根っこ周辺にある頭皮の細胞が、毛髪を作るもとになっていることに着目。患者の後頭部から、毛髪周辺の頭皮(直径数ミリ)を採取、毛根鞘細胞だけを取り出して培養によって増やし、患者本人の頭部に移植する計画を立てた。

 臨床研究は男女約60人が対象となる。同大学病院や東邦大学医療センター大橋病院で患者から採取した細胞を、資生堂の施設に移して培養し、その後2病院に戻して患者に移植する。

浜松の施設、着床前スクリーニングで出産…「命の選別」と学会は禁止

浜松市の不妊治療施設は28日、受精卵の染色体を幅広く調べ、異常のないものだけを子宮に戻す「着床前スクリーニング」を47人に実施し、1人が今年4月に出産したことを明らかにした。

 着床前スクリーニングは、流産を減らす可能性があるが、命の選別につながるとの批判があり、日本産科婦人科学会が実施を禁止している。兵庫県と長野県の2施設も実施を公表している。

 今回、実施を公表したのは「アクトタワークリニック」。昨夏以降、受精卵の一部を米国に送り、検査を行った。受精卵を子宮に移植したのは12人で、出産した女性以外に6人が現在妊娠中だという。出産したのは33歳の女性。流産経験はなかったが「流産するのが怖い」と、検査を希望したという。

患者紹介で贈収賄の疑い 愛知県警が名古屋の2医師逮捕

人工透析治療を受ける患者の紹介をめぐり現金の授受があったとして、愛知県警は二日、収賄の疑いで国家公務員共済組合連合会名城病院(名古屋市中区)の医長、赤沢貴洋(きよひろ)容疑者(41)=同市東区東大曽根町=を、贈賄の疑いで医療法人「光寿会」(本部・同市西区)の実質経営者で医師の多和田英夫容疑者(64)=同市西区城北町一=をそれぞれ逮捕した。

 逮捕容疑では、赤沢容疑者は名城病院で自分が治療して引き続き人工透析が必要な患者八人を光寿会が運営する病院や診療所に転院させる見返りとして、二月二十七日~十月二十七日、多和田容疑者から五回にわたり、銀行口座に計約六十万円の振り込みを受けたとされる。

 県警によると二人は容疑を認めている。国家公務員共済組合連合会が運営する病院の一つである名城病院の医師はみなし公務員に当たり、赤沢容疑者には自身の患者に転院先の病院などを紹介する権限があった。

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 赤沢容疑者は「車のローンや洋服代、趣味のアマチュアバンドの活動で金が必要だった」などと供述。多和田容疑者は「透析患者は治療が長期にわたる。以前は名城病院から患者を受け入れていなかったので、紹介を受ければ、利益を得られると思った」との趣旨の供述をしているという。

 赤沢容疑者は二〇〇二年四月から名城病院に勤務し、一三年四月から腎・糖尿病内科の医長を務めている。その一方で、〇五年夏ごろからは非常勤のアルバイト医師として月に数回程度、光寿会の診療所にも派遣されていた。多和田容疑者側からは患者一人の紹介につき十万円を、アルバイト代に紛れ込ませる形で、税金分を差し引いた上で入金を受けていた。

 光寿会は、ホームページ(HP)などによると、名古屋市西区と千種区、愛知県春日井市、北名古屋市で病院や診療所の計五施設を運営している。実質経営者の多和田容疑者は人工透析が専門の医師。名古屋市西区の診療所では名誉院長も務めている。

◆「信じられない」勤務先院長が会見

 医師二人の逮捕を受け、赤沢容疑者の勤務先の名城病院の伊藤隆之院長が二日午後十時から会見を開き、「職員が逮捕されたことは大変遺憾であり、患者や近隣医療機関の皆さまに心よりおわびしたい」と謝罪した。

 伊藤院長は、同病院に勤める職員は公務員に等しい規律が求められることを日ごろから呼び掛けてきたことや、〇六年にも同様の事件で別の病院の医師が逮捕されていることから「金のやりとりがあったとは信じられない」と驚きを隠さず、「県警に全面的に協力し、再発防止策を講じて信頼回復に努めたい」と述べた。

診療報酬マイナス改定へ/社会保障費1700億円抑制

政府は、医薬品の値段(薬価)や、医師、薬剤師らの技術料の価格(本体)を見直す2016年度の診療報酬改定で、全体の改定率をマイナスとする方向で調整に入った。

 16年度予算編成の焦点である社会保障費の抑制は、目標とする約1700億円の抑制分をほぼ診療報酬のマイナス改定でまかなう考えだ。

 診療報酬改定はほぼ2年に1度実施される。全体の改定率がマイナスになれば8年ぶりだ。厚生労働省による16年度予算の概算要求では、医療、年金、介護などの社会保障費は15年度予算より約6700億円増える。要因は、高齢化や、医療が高度化していることなど様々だ。政府は財政再建を着実に進めるため、高齢化で避けられないとされる年約5000億円増にとどめる方針だ。

 差額となる約1700億円の抑制は、〈1〉市場の実勢価格に応じて薬価を約1400億円引き下げ〈2〉本体を約300億円引き下げる――ことによって実現させる方針だ。改定の議論は今後本格化するが、最終的に1700億円に満たない場合、一部を高額療養費制度の見直しなど医療制度改革で賄うことも検討する。社会保障費の抑制は毎年度大きな課題だが、大半を医療関連だけで捻出するのは異例だ。

 本体の改定では、大病院前に立地する「門前薬局」など院外処方の薬局を対象に、薬剤師の技術料である調剤料を引き下げる方向で調整している。

診療報酬債権の過剰貸付 運営会社ついに破産

(株)オプティファクター(品川区西五反田1-1-8、登記上:渋谷区東1-10-9、設立平成12年9月、資本金2000万円、児泉一社長)は11月6日、東京地裁に破産を申請し同日、弁済禁止処分および包括禁止命令を受けた。(株)メディカル・リレーションズ・リミテッド(新宿区西新宿6-6-3、設立平成17年7月、資本金9800万円、同社長、診療報酬債権等の売買)、(株)エム・アイ・ファシリティズ(品川区東五反田1-20-7、設立平成17年9月、資本金1億5000万円、同社長)は11月6日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。また、メディカル・トレンド・リミテッド(英領バージン諸島、診療報酬債権等の売買)、オプティ・メディックス・リミテッド(英領バージン諸島、診療報酬債権等の売買)も11月6日、東京地裁に破産を申請し同日、保全管理を受けた。保全管理人および破産管財人には、澤野正明弁護士(シティユーワ法律事務所、千代田区丸の内2-2-2)が選任された。なお、問い合わせ窓口としてコールセンター(電話0120-363-355、受付時間は平日の午前9時から午後5時)が開設されている。
負債はオプティファクターが61億3200万円(平成26年8月期決算時点)、メディカル・リレーションズ・リミテッドが44億4700万円(平成27年4月期決算時点)、メディカル・トレンド・リミテッドが56億6700万円(平成27年3月期決算時点)、オプティ・メディックス・リミテッドは129億3100万円(平成26年12月期決算時点)、4社合計291億7700万円。なお、エム・アイ・ファシリティズの負債は現在調査中。

 オプティファクターは医療機関の診療報酬(レセプト)債権のファクタリングを行うほか、中堅証券会社と協業で診療報酬債権を証券化した「レセプト債」を取り扱い、一般個人投資家向けに販売していた。レセプト債は医療機関が受け取る診療報酬債権を証券化し、元利金の支払い原資とする商品で、安全性の高さが特徴とされていた。
しかし平成25年3月、児泉収前社長の死去後、決算書に実態のない架空の債権や売り上げが多額に計上されている疑いが浮上。また、関係会社の3ファンド(メディカル・リレーションズ・リミテッド、メディカル・トレンド・リミテッド、オプティ・メディックス・リミテッド)が有するべき現預金や医療報酬債権等のうち、実在性のあることが確認できた資産の合計額が僅少であることが判明。現代表は、ファンドの財務状態を改善するため、診療報酬債権等の取得に向けた積極的な営業、社債の利率や手数料の減額等による経費圧縮等、財務状態の健全化に努めたものの、負債の規模が過大であったため(27年10月時点の3ファンドの発行済債権残高は約227億円)、財務状態を改善することができない状況が続いていた。
そのようなか、オプティファクターが10月29日、証券取引等監視委員会の調査を受ける事態となり、これ以上社債の新規発行を行うことが困難となった。このため、償還期限を迎える社債の償還・利払いを継続的に履行できず、また、3ファンドの譲受債権の対象医療機関に対する安定的な資金供給ができなくなるため、グループの事業継続を断念し、今回の措置となった。

CTの被曝線量、医療施設で10倍以上の差

内臓などの様子を立体的に映し出すコンピューター断層撮影法(CT)で患者が被曝ひばくするXエックス線の量は、同じ部位の検査でも医療施設によって10倍以上も差がある実態が、日本診療放射線技師会の調査で分かった。

 一部の施設では患者が必要以上に被曝している可能性があり、国内の関係学会などを集めた「医療被ばく研究情報ネットワーク」(代表=米倉義晴・放射線医学総合研究所理事長)は18日、望ましい線量の目安となる参考値案をまとめた。今後、各学会などを通じて周知を図る。

 CTは、装置が体の周りをぐるりと回ってX線を照射するため、一方向だけからの単純撮影に比べて被曝線量が多く、様々な医療検査による被曝量全体の4割前後を占めるといわれる。同技師会は一昨年、会員の診療放射線技師にアンケートを送り、約300施設分の回答を集計した。

 その結果、患者が被曝するX線量を示すCT線量指標(単位はミリ・グレイ)が、成人の頭部で12~150、胸部で1・6~128、腹部・骨盤で0・9~40と、同じ部位の検査でも施設間で十数倍から数十倍の差があった。照射範囲の広さなども勘案して、全身への影響を示す「実効線量」を計算すると、最高で頭部は1回あたり約5ミリ・シーベルト、胸部は約16ミリ・シーベルト、腹部・骨盤は約27ミリ・シーベルトと推定された。

 施設間の大きな差は、日本医学放射線学会が行った別の調査でも確認された。技師会などによると、照射線量は通常、装置メーカーの推奨値を基に各施設で決める。高い線量が要る特殊な検査もあるが、全体としては、必要以上に高画質となる高い線量に設定したまま見直していない施設が少なくないとみられる

胃がん検診、内視鏡も推奨…国立がんセンター

国立がん研究センターは、新たに内視鏡検査を推奨することを盛り込んだ「胃がん検診ガイドライン(指針)」2014年度版をホームページで公表した。

 指針の改定は9年ぶり。自治体などが行うがん検診として新たに内視鏡検査を推奨、年齢は50歳以上が望ましく、受ける間隔は2~3年でも良いとした。同センターでは推奨に加えた理由について、国内や韓国での研究で胃がんの死亡リスクを下げる効果を確認したことを挙げている。前回の2005年度版は、バリウムを飲んで行うエックス線検査のみが推奨され、内視鏡検査は「死亡率の減少効果を判断する証拠が不十分」とされていた。

 バリウムを飲むエックス線検査は、今回の指針でも検診として推奨された。年齢別の死亡率減少効果の分析研究などから、50歳以上を対象にすることが望ましいとした。

 同センターの指針は学術的な提言で、市町村が検診を行う際に使う国の指針とは別。国は、40歳以上の住民を対象にバリウムを飲むエックス線検査を標準的な方法として示している。厚生労働省の検討会は内視鏡検査を導入するかどうかなどを含め、胃がん検診のあり方を議論しており、今夏にも方針を決める予定。

東京女子医大で手術の3日後、2歳男児が死亡

東京女子医大病院(東京都新宿区)で先月、埼玉県内の男児(2)が手術の3日後に死亡していたことがわかった。

同病院によると、手術後に使った鎮静剤が原因とみられる。都福祉保健局は2月26日、同病院に立ち入り調査を実施。病院から届け出を受けた警視庁牛込署でも、業務上過失致死容疑で病院関係者から事情を聞き、詳しい経緯を調べている。

同病院によると、2月18日に首の腫瘍の手術を行った後、鎮静剤を使った集中治療に入ったが、男児は3日後の21日に急性循環不全で死亡した。病院の内部調査で、鎮静剤として使われた麻酔薬「プロポフォール」が原因とみられることが判明したという。

プロポフォールは強力な麻酔薬で、国内では過去に投与量を誤って幼児が死亡する医療事故が起きている。都によると、プロポフォールの添付文書には、集中治療中の小児に対する、鎮静剤としての使用を原則禁止とする記載があった。

向精神薬 多剤処方を制限…診療報酬認めず

厚労省、新年度

厚生労働省は新年度から、抗不安薬や睡眠薬などの向精神薬を数多く処方した場合、診療報酬を原則認めない仕組みを導入することを決めた。薬物依存や重篤な副作用を防ぐ狙いがある。

新ルールでは、外来診療で服薬管理などをする際、抗不安薬か睡眠薬を3種類以上、または、統合失調症の治療に使われる抗精神病薬か、抗うつ薬を4種類以上、1回で処方した場合、診療報酬を請求できなくし、処方箋料も減額する。

また、入院患者に、副作用が少ないとされるタイプの抗精神病薬を処方する場合も、2種類までしか加算できないように改める。

抗不安薬や睡眠薬としてよく使われるベンゾジアゼピン系の薬剤は、使用し続けると薬物依存になる危険性がある。

抗精神病薬は一定量を超えると治療効果は上がらず、手の震えや体のこわばりといった副作用の危険が高まり、突然死することもある。国内では、抗精神病薬を3剤以上処方している割合が海外に比べて多い。