他の医師数人分の謝礼も収受 元医長を再逮捕へ、収賄容疑―がん研究センター汚職・警視庁

国立がん研究センター東病院の医療機器使用を巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された元同院肝胆膵(すい)内科医長の橋本裕輔容疑者(47)が、同僚医師数人が医療機器を使用した分についても、調査の謝礼名目で、医療機器メーカー「ゼオンメディカル」から現金を受け取っていたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。

医長昇任前後に接触か 贈賄企業、販路拡大を画策―がん研究センター汚職・警視庁

 警視庁捜査2課は同日、調査協力の報酬名目で、2020年にも現金約150万円を受け取ったとして、収賄容疑で橋本容疑者を再逮捕する。
捜査関係者によると、橋本容疑者は19年度と20年度に、ゼオン社製の医療機器「ステント」の使用感や有効性を確かめる「市販後調査」に協力する謝礼として、ステント1本を使うごとに1万円を受け取る契約を締結した。
橋本容疑者はこの契約に絡み、同社製ステントを自身が使った分に加え、同内科の同僚医師数人が使った時も調査の謝礼名目で現金を受け取っていた。調査の実態はなかったという。
国立がん研究センターなどによると、同内科には当時、研修医を含め医師10人以上が在籍していた。院内には複数社製のステントが用意され、手術の際は医師がその中から選んで使用できた。
同院では19年4月以降の2年間で、ゼオン社製ステント約290本が使われた。かつて同社製ステントの使用実績は無かったが、同月の契約後はシェアが5割以上を占めた。
橋本容疑者は調査協力の謝礼名目で、21年にゼオン社から約170万円を受け取ったとして、収賄容疑で逮捕されていた。

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